当院は、米国の大学院で専門医になるためのトレーニングを積んだ歯科医によるクリニックである。

その特徴をより鮮明にし、専門的で質の高い歯科治療を望む患者様の治療に特化するため、各種保険診療には対応していない。

材料の違いや専門的で質の高い治療を行うのは当然で、保険診療との混合診療を行う歯科医院と最も異なるのは、

時間の節約・治療手順の短期化、つまり、治療期間が短くなることであろう。

保険診療では、患者の状況、歯の状態に合わせた治療手順を踏んでくれない。

保険制度に貴方が合わせなければならないのだ。

例えば、この方のケースをみてほしい。

左下の一番奥の歯の虫歯治療。30代女性。

症状はないが、古い詰め物が欠けているので少し診て欲しいという主訴で来院された。

このようなケースの場合、保険診療を適応すると、

まずは全体の歯周組織検査、レントゲン撮影を行う。ここまでは自由診療であっても同じだ。

保険診療だと、この後、歯石があろうがなかろうが、歯のクリーニング(スケーリング、歯石の除去)をしなければならない。

保険点数は、左の下奥歯なら4本まとめて約60点:約180円。なんともない歯にも超音波スケーラーが当てられ、当然歯にはダメージが残る。

しかも、初診時に全ての歯の歯石のクリーニング(スケーリング、歯石の除去)をすることはできないので、2回に分けて行うことになる。

スケーリング(歯石の除去)が終わったら、次は再度歯周組織の検査を行い再評価をしなければならない。しかも正式な保険点数を(200点:3割負担だと約700円)を請求するには、1ヶ月空けるのが望ましいとなっている。

そうしないと半分の点数(100点:約300円)の請求しか出来ないので、歯科医院によっては、歯石除去1ヶ月後にアポイントになってところも多いだろう。

そうやって3回目の来院時の再評価で、歯周組織、歯茎に改善がみられたことを確認した後、ようやく4回目の来院で治療開始となる。

まとめると、

初回:歯周組織(歯ぐき)の検査、レントゲン撮影、写真撮影、ブラッシング指導、歯石の除去など

2回目:歯石の除去、その後1ヶ月、間を置く

3回目:歯周組織の再評価、治療計画の決定

4回目:治療開始

治療費は具体的な治療内容により当然異なるが、トータルで患者負担は10,000〜15,000円程度だろう。

治療開始まで毎週アポイントを取れたとして1ヶ月。一般的には2ヶ月くらいかかっているかもしれない。

主訴は奥歯の虫歯をみて欲しいと言うだけなのに、保険診療だと特に悪いところはないのに、そこだけをいきなり治療を開始することができないのだ。

この点が、多くの歯科医院を悩ませている保険診療のデメリットと言えるのではないだろうか。

患者側からすると、「歯医者はちょこちょこ治療してばかりで全然進まない」と疑ってしまうアレである。

ちなみに自由診療でこうした治療を行う場合、極端な話、状態によっては一度で終わらせることも可能(セラミックなら最低2回は必要)だ。

自由診療は高い、と言うイメージがあるかもしれないが、自由診療なら必要な治療を必要なところだけ、すぐに行える、というのが、

自由診療ならではのメリットといえるだろう。治療費はこのホームページでも提示してあるので、ぜひ参考にしていただきたい。