ボールはマンハッタンにある補綴専門医のクリニックで勤務しながら、コロンビア大学歯学部のインプラント科、かの有名なドクター・ターナーの下でフェローとして週2日診療している。ドクター・エルカサビこと、ヘバはニューヨーク州立大学Stony brook校の歯学部補綴科でファカルティポジションを見事獲得し、9月からの採用が決まっていたが、驚いたことに彼女は何と補綴科のプログラムディレクターに就任することになったそうだ。
SUNY at Stony brookの詳細はこちら。歯学部生は一学年約40名の小規模な大学だが、州在住の学生は学費が非常に安いので、大変人気がある。つまり、集まってくる学生は非常に優秀であるということ。
State university of new york at stony brook school of dental medicine
プログラムディレクターとは、レジデンシープログラムの責任者で、レジデントの採用からプログラムの内容、構成などすべてを取り仕切る要職であり、強大な権限を有する。ディレクターの思惑次第で、レジデントはもちろんファカルティーでさえ、いつでもクビになってしまう。
いくらストゥーニーブルック校の補綴科レジデンシープログラムが開始して2年しか経っておらず、アメリカという国全体に、ある意味文化として若手にチャンスを与える風潮があるといえ、いくらなんでも早すぎはしないだろうか。。
聞くところによると最近歯学部長が交代し、各科のディレクターやファカルティも相当数入れ替わったそうだ。政治的な背景が見え隠れするのは間違いないが、アメリカ人は時に本当に思い切った人事をする。日本でいうなら、大学院を三月に卒業した者が、5月に教授になるようなもの。特に彼女は6月頃まで就職先がなく、自分にもどこかいい就職先がないか相談にきていたくらいなので、なおさら驚きを隠せない。
綿密な診断力、圧倒的なプレゼンテーション、徹底的にやりきる臨床、技工物の仕上がりも素晴らしく、一年目の頃はラボで色々と教えてもらった私が言うのだから間違いない。
これから10、20年と経つにつれ、同じ場所でしのぎを削った仲間達がニューヨークの歯科医療界のみならず、世界をリードしその最先端で活躍していくだろう。もちろん私自身も刺激をもらうばかりではなく、彼らに刺激を与えられるようにベストを尽くしていくつもりだ。何はともあれ、仲間の立身出世、サクセスストーリーを心から祝福したい。
ACPNY Local Meetingにて |
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