4年半に及ぶニューヨークでの留学生活が、本日ようやく幕を閉じました。一言でいうと、ニューヨーク大学での生活は本当に厳しいものでした。
出世欲むき出しのファカルティ同士の駆け引き、個性的で自己主張の激しい患者さんもおり、そのままテレビドラマになりそうな環境でしたが、同時に地位や人種を超えてヒトとしての生き様を見せつけられ、自分自身の将来のあり方を考えるには有意義な日々でした。
歯科の知識や経験はもちろん、それ以上の「何か」を感じ、得られたことは間違いありません。
私自身はプログラムを修了することがこの4ヶ月は最重要課題でしたから、嬉しいという気持ちや高揚感、達成感等は全くなく、ただただほっとしてます。
はたまた燃え尽きたりするのかと思いきや、そういう気持ちも今のところありません。
来週21日から早速、富山で診療を開始することになっています。前回の千葉での開業時もそうでしたが、今回も思いやりのスタッフと優秀で責任感溢れる代診の先生に恵まれ、良いスタートが切れそうです。
補綴専門医としての経験とスキルをいかすには、これ以上はないといった職場で、今から楽しみで仕方ありません。むしろ早く仕事がしたいです。日本では、すでに多くの患者さんにお待ち頂いていますし、とことんアウトプットに徹していくつもりです。
先日、引越の荷物を整理してたら20年前の手紙をいくつか発見しました。会ったこともないアメリカ人の歯科医師に推薦状を依頼する手紙を、さらに遠縁の親戚に頼む20年前の私。
今の時代ならまさに「意識高い系」のイタい若者でしかないでしょう。しかし、そんな若造でも20年も夢を追い求め、前進し続ければニューヨーク大学の専門医養成のための大学院を卒業し、米国補綴専門医にもなれるのだから驚くしかありません。
自分の人生を振り返ると自分でもおかしくなります。本当に学生時代を考えると冗談のような話で、高校大学時代の友人は同じことを思っているでしょう。同時に人間やってやれないことなんてない、、とも感じているかもしれません。
一つ言えるのは、私のまわりの友人、家族、サポートしてくださる方々、お一人でも欠けていたら、今回の結果はなかった、ここまで来れていなかったということです。ただただ感謝しかなく、有難い気持ちで一杯です。
また日本でイチからのスタートとなり、落ち着きのない人生がしばらく続きますが、さらなるご指導、宜しくお願い致します。
2015年12月19日
白  賢