補綴専門医による治療は一般歯科医(GP)と何がどう違うのか?何が出来るのか?
「一般歯科開業医との提携」に関しては、日本にはまだ馴染みはないが、アメリカには一般歯科医がシビアなケースに安易に手をつけて困る前に相談する補綴専門医が存在する。
以前にも書いたが、
一般的にアメリカでの補綴専門医は、総入れ歯、部分入れ歯、クラウン・ブリッジ(被せもの、オールセラミック等)、インプラント補綴全域で、GP(一般歯科医)がカバーしきれない難度の高い治療(大がかりなインプラント治療や咬み合わせの高さの変更等)を行う。
またそういったケースの一般歯科開業医からの紹介、患者さん自身からのセカンドオピニオンの依頼等を受ける。 補綴専門医と提携しているというのは患者さんにとっても安心なのはもちろんだが、一般歯科医にとって、いつでも相談出来る専門医は最後の砦というよりも、はじめにアドバイスを請う良き相談相手という位置付けだ。
一般歯科医との違い、補綴専門医としての「強み」は、診断力と臨床スキルにある。豊富な論文のレビューや臨床の現場で培ったそうした経験に基づく確かな判断能力、決断力。
補綴専門医は「患者の抱えた問題を正確に把握(診断)し、必要な治療オプションを複数持ち、さらに実際に治療できる」全体の治療方針の決定とその責任を担うスペシャリストである。
治療費は一般歯科医のそれと比較するとおおよそ二倍ほどするのが一般的だが、アメリカでは補綴専門医の価値が社会全体に認められているので、大がかりなケースになればなるほど専門医による治療を選択する患者が多い。
こうした専門医なればこそ、総合的、包括的なチーム医療が実現可能となる、いわゆる「インターディシプリナリーアプローチ」と言われるコンセプトである。その詳細は以前ブログに書いたので参考にしてほしい。
専門医によるチーム医療、補綴専門医の存在意義、インターディプリナリーアプローチとは何か。
このように歯科医療に対する要求度が高い患者さんや、各科専門医の連携による複雑で高度な治療が必要な患者さんが、十分満足し得る医療を提供していくこと。
それが、ニューヨーク大学歯学部補綴科という最高の環境で、レジデントとして研鑽を積むという類い稀なチャンスを与えられた者としての責任だと思っている。
BS歯科富山 インプラントオフィス(2015年12月開院予定)
白 賢